Ciscoが約4000人削減、AI投資へ原資捻出

過去最高収益下の人員削減

従業員の約5%にあたる4000人を削減
四半期売上・利益とも市場予想を上回る好決算
AI・サイバーセキュリティへのコスト構造転換が目的

テック業界に広がるAIリストラ

CloudflareやGMも好業績下でAI理由の人員整理
Cisco CEOの報酬は5200万ドル超、削減予定なし
2024年以降で複数回の大規模レイオフを実施

セキュリティ課題も背景に

ルーター・ファイアウォールの深刻な脆弱性が相次ぐ
米政府ネットワークへの侵入被害も発生
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ネットワーク機器大手のCiscoは2026年5月14日、全従業員の約5%にあたる約4000人の人員削減を発表しました。同社はこの決定について、AIとサイバーセキュリティへの投資を加速するための「コスト構造の変革」と説明しています。皮肉なことに、この発表は同社が過去最高の四半期売上と市場予想を上回る利益を報告したのと同じ日に行われました。

この動きは、テック業界で広がる「AI投資を理由としたリストラのトレンドを象徴しています。直近ではCloudflareが「AIにより1100の職務が不要になった」として人員削減を実施し、GMもAIスキルを持つ人材への入れ替えを目的にIT部門の数百人を解雇しています。いずれも好決算の最中での判断です。

Ciscoには人員削減を急ぐもう一つの事情があります。同社のルーターやファイアウォールでは深刻なセキュリティ脆弱性が相次いで発覚し、米政府を含む顧客ネットワークへの不正侵入を許してきました。2025年にはデータ侵害で顧客の個人情報が流出する事件も起きており、サイバーセキュリティ体制の強化は喫緊の課題です。

一方、CEOのチャック・ロビンス氏は2025年度に5200万ドル超の報酬を受け取る見込みですが、自身の報酬削減については言及していません。Ciscoは2024年に2度の大規模レイオフを実施し、2025年にも150人以上を削減しており、今回で数年間にわたる人員整理が常態化した形です。好業績と大量解雇が同時に進む構図は、AI時代の企業経営が抱える矛盾を浮き彫りにしています。