Applied Materials、半導体R&Dに50億ドル投じEPICセンター開設へ

AI時代の半導体課題

AI処理でデータ移動の消費電力が演算並みに
ロジック・メモリ・パッケージングの同時最適化が必須
従来の逐次型R&D;では10〜15年かかり限界
オングストローム世代で物理的結合が複雑化

EPICの共創モデル

50億ドル投資、アメリカ史上最大の半導体装置R&D;拠点
顧客エンジニアと初日から共同開発し学習サイクルを2倍高速化
GAA・CFET・3D DRAM・HBMなど次世代技術を一拠点に集約
大学連携で半導体人材育成パイプラインも強化
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Applied Materialsは2026年中の開設を目指し、約50億ドルを投じた半導体R&D;拠点「EPICセンター」の構想を発表しました。これはアメリカ史上最大規模の半導体製造装置R&D;投資であり、AI時代に求められるエネルギー効率の高いチップ開発を加速させる狙いがあります。

AI処理ではデータの移動が演算と同等以上のエネルギーを消費するようになっており、ロジック・メモリ・先端パッケージングの3領域を統合的に最適化する必要性が高まっています。しかし従来の半導体業界のR&D;モデルは、各工程を順次受け渡す「リレー型」であり、オングストロームスケールの複雑な相互依存に対応するには遅すぎるという課題がありました。

EPICセンターはこの課題に対し、チップメーカーのエンジニアとApplied Materialsの技術者が初日から同じクリーンルームで共同開発する「共創プラットフォーム」を提供します。原子レベルのモデリングからプロセス開発、検証、計測フィードバックまでを一体化し、従来比で最大2倍の開発速度を実現するとしています。

具体的には、GAA(ゲートオールアラウンド)トランジスタやCFET(相補型FET)といった次世代ロジック、4F²や3D DRAMへのメモリ移行、そして16層以上のHBM(広帯域メモリ)スタッキングやハイブリッドボンディングといった先端パッケージング技術の開発が進められます。最先端GPUでは切手サイズに3,000億個超のトランジスタと3,200キロメートル超の配線が詰め込まれる時代に突入しています。

半導体産業にとって、AI需要の爆発的成長は好機であると同時に、技術開発のスピードという根本的な課題を突きつけています。EPICセンターの共創モデルが機能すれば、エネルギー効率に優れたAIチップの実用化が大幅に早まる可能性があります。経営者エンジニアにとっては、半導体サプライチェーン全体の開発パラダイムが変わりうる動きとして注目に値するでしょう。