Apple CEO交代、クックが9月退任しターナスが後任に

CEO交代の背景

クックが9月に退任し会長職へ
ハードウェア責任者ジョン・ターナスが後任
Apple在籍25年の実務型リーダー

新CEOの最大課題はAI

Apple Intelligenceは期待以下の評価
キラーAI製品の投入が急務
ジョニー・スロウジがハード部門SVPに昇格
独自AIチップ戦略が鍵を握る

変わるAppleの事業環境

App Store手数料30%への圧力増大
AI生成アプリがエコシステムを変容
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ティム・クックが2026年9月にApple CEOを退任し、取締役会の執行会長に就くことが明らかになりました。後任には、ハードウェアエンジニアリング担当上級副社長のジョン・ターナス氏が就任します。クック氏は2011年のスティーブ・ジョブズ後任以来15年にわたりAppleを率い、AirPodsなどのヒット製品を生みサプライチェーン経営で時価総額を飛躍的に伸ばしました。

新CEOターナス氏にとって最大の課題はAI戦略の立て直しです。2024年に発表されたApple Intelligenceは「期待はずれ」との評価が多く、AIエージェント技術が急速に進む中、Appleは出遅れています。WIREDのスティーブン・レヴィ氏は「iPhoneがモバイルを定義したように、AIを一般消費者向けに解き明かす製品が必要だ」と指摘しています。

人事面では、ターナス氏の後任としてAppleのシリコン戦略を率いてきたジョニー・スロウジ氏がハードウェアエンジニアリング担当SVPに昇格しました。AppleはBroadcomとのAIチップ開発も進めており、より強力なニューラルエンジンをデバイスに搭載することで、プライバシーを守りながらオンデバイスAIの性能を引き上げる戦略を描いているとみられます。

一方で、ターナス氏が引き継ぐAppleの事業環境はクック時代とは大きく異なります。App Storeの30%手数料に対する規制圧力が強まり、開発者に対するAppleの支配力が揺らいでいます。さらに、AIを活用した「バイブコーディング」アプリの台頭がプラットフォームの在り方そのものを変えつつあり、エコシステム全体の再設計が求められています。

テック業界はこのCEO交代を、Apple史上最大の転換点の一つと捉えています。ターナス氏は実直な実務家タイプとされていますが、Appleの価値基準を体現する感覚を持つと自負しています。AIがiPhoneのエコシステムを根底から変える可能性がある中、新CEOがどのようなビジョンを示すかに注目が集まっています。