YouTubeがショート動画でAIアバター生成機能を開放
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米Google傘下のYouTubeは4月9日、ショート動画サービス「YouTube Shorts」で、クリエイター本人そっくりのAIアバターを自動生成できる新機能の提供を段階的に開始すると発表しました。自身の顔と声を再現したアバターを既存動画に差し込んだり、新しいクリップの主役として起用したりできます。生成AIの悪用が社会問題化するなか、プラットフォーム側が自ら制御可能な「ディープフェイク」を公式機能として取り込む、象徴的な動きと言えます。
アバター作成は単純なボタン操作ではなく、ライブ自撮りで顔と声を登録する工程を経ます。明るい照明、静かな場所、目線の高さを保つことが推奨されており、YouTubeは「本人のように見え、本人のように聞こえる」仕上がりを強調しています。完成したアバターは文章プロンプトから最大8秒の映像を生成でき、対象となる既存ショートへの組み込みも可能です。
一方で利用には厳しい制約が設けられています。アバターは原則として作成者本人の動画でのみ使用でき、リミックス可否はクリエイターが自ら制御します。削除権限は常に本人側にあり、3年間使われなかったアバターは自動的に破棄される仕組みです。全ての生成映像には視認可能な透かしに加え、SynthIDやC2PAといった来歴情報が付与されます。
提供対象は18歳以上で既存チャンネルを持つクリエイターに限定され、地域や時期を明示しないまま段階展開されます。YouTubeはすでに自動吹き替えやチャンネル分析チャットボットなど、Geminiを基盤とするAI機能を続々と追加しており、今回のアバター機能はその延長線上に位置づけられます。
注目すべきは競合の動きとの対比です。OpenAIは先月、動画生成アプリ「Sora」の運営終了を決めたばかりで、著作権問題やディープフェイク騒動、収益化の難しさが撤退の背景にあったと報じられています。Googleはその空白地帯に、クリエイター本人の同意と来歴管理を前提とした管理型アバターという形で切り込み、生成AI動画の主導権を握ろうとしています。