マスク氏、OpenAI訴訟の賠償金を非営利団体へ

訴訟戦略の転換

賠償金の個人受領を撤回
非営利部門への返還を要求
裁判所命令が戦略変更の契機
懲罰的損害賠償の請求却下

法廷での争点

1.34億ドルの損害算定に疑義
マスク氏の法的理論が頓挫
陪審への説示請求も棄却
訴訟存続へ主張を再構成
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イーロン・マスクは4月7日、OpenAIサム・アルトマンCEOを相手取った訴訟の請求内容を修正しました。新たな訴状では、不正に得られた利益をマスク氏個人ではなく、OpenAIの慈善非営利部門に返還するよう求めています。弁護士のマーク・トベロフ氏は「マスク氏は自身のために1ドルも求めていない」と強調しました。

この方針転換の背景には、イボンヌ・ゴンザレス・ロジャース連邦地裁判事の命令があります。判事はマスク氏の懲罰的損害賠償請求を却下し、さらにマスク氏側の専門家が算出した最大1,340億ドルに達する損害賠償額についても、法的な根拠が不十分と判断しました。

マスク氏はOpenAIの共同創設者として初期に3,800万ドルを寄付しましたが、その後OpenAIが営利化へ転換したことを問題視しています。トベロフ弁護士は「公共の慈善団体から奪われたものを返還し、責任者が二度とこのようなことができないようにすることを求めている」と述べています。

ただし裁判所は、マスク氏の寄付が慈善目的以外に使われるたびに損害が発生したとする理論についても、陪審への説示を認めませんでした。今回の修正は訴訟を維持するための戦略的な再構成とみられ、OpenAI側の「訴訟は嫌がらせ目的」という主張への反論も意図されています。