OpenAIが超知能時代の産業政策を提言、富の再分配と週4日勤務を提案

税制と富の再分配案

ロボットの導入を提案
法人・キャピタルゲイン増税を示唆
公的資産ファンドで市民に還元
労働から資本への課税シフト構想

労働環境の変革提案

給与維持の週4日勤務補助
退職金・医療費の企業負担拡大
ポータブル福利厚生口座の創設

安全保障インフラ整備

危険なAIの封じ込め計画策定
AIインフラ拡大への補助金・税控除
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OpenAIは2026年4月6日、超知能(スーパーインテリジェンス)時代に向けた産業政策の提言書を公開しました。提言は、AI主導の繁栄をより広く分配すること、システミックリスクへの安全策を構築すること、AI能力への広範なアクセスを確保することの3つの目標を柱としています。同社は最大10万ドルのフェローシップや最大100万ドルのAPIクレジットを提供する研究助成プログラムも発表しました。

税制面では、AIの普及により法人利益が拡大する一方で労働所得が縮小し、社会保障やメディケイドなどの財源が空洞化するリスクを指摘しています。対策として、法人税やキャピタルゲイン税の引き上げに加え、人間の労働者を代替したロボットに同等の税負担を課すロボットの導入を提案しました。さらに、AI企業やインフラへの公的持分を通じて市民に利益を直接分配する公的資産ファンドの設立も盛り込んでいます。

労働政策としては、給与を維持したままの週4日勤務への補助制度を提案しています。企業に対しては退職金の上乗せ拠出、医療費負担の拡大、育児・介護費用の補助などを求めています。ただし、TechCrunchの報道によると、これらは企業責任として位置づけられており、AIによって職を失った人々が企業ベースの福利厚生を同時に失うリスクが指摘されています。ポータブルな福利厚生口座の提案もありますが、政府保証の普遍的保障には踏み込んでいません。

安全保障面では、AIの悪用やシステムが人間の制御を超えて動作するリスクを認め、危険なAIの封じ込め計画や新たな監視機関の設置、サイバー攻撃・生物兵器などの高リスク用途への対策を提案しています。同時に、AIを公益事業として扱い、電力インフラの拡充やAI基盤整備への補助金・税控除を通じて、少数の企業に集中しない広いアクセスを確保する方針も示しました。

今回の提言は、ライバルのAnthropicが半年前に発表した政策提言に続くものです。OpenAIは非営利から営利企業に転換した経緯があり、「AIは全人類に恩恵をもたらす」という設立理念と株主への受託者責任の整合性を問う声も上がっています。同社はこれらの提案を最終的な勧告ではなく議論の出発点と位置づけ、5月にワシントンDCで開設する「OpenAI Workshop」での対話を呼びかけています。