Intelが先端パッケージングでAI半導体市場に攻勢
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Intelが先端チップパッケージング事業をAI時代の成長エンジンとして本格的に推進しています。同社のファウンドリ部門責任者ナガ・チャンドラセカラン氏はWIREDの取材に対し、AIの普及により先端パッケージングが「シリコンそのもの以上に」半導体革命の鍵を握ると語りました。CFOのデイブ・ジンスナー氏は、パッケージング収益の見通しを数億ドル規模から「10億ドルを大きく超える」水準に上方修正しています。
複数の情報筋によると、IntelはGoogleとAmazonの少なくとも2社と先端パッケージングサービスの大型契約について交渉を進めています。両社はいずれも独自設計のカスタムチップを持ちながら、製造工程の一部を外部委託しており、Intelにとって理想的な顧客です。ジンスナー氏はモルガン・スタンレーの会議で「年間数十億ドル規模の契約締結に近づいている」と明らかにしました。
技術面では、Intelが2025年5月に発表したEMIB-T(組み込みマルチダイ相互接続ブリッジの次世代版)が差別化の要となっています。従来のEMIBを進化させ、チップ間の電力効率と信号品質を改善するもので、元Intel社員はTSMCの手法と比べて「より外科的」なアプローチだと評しています。2026年中に量産ラインへ投入される予定です。
Intelはニューメキシコ州リオランチョのFab 9とFab 11Xを先端パッケージングの中核拠点として数十億ドルを投資し、米国CHIPS法から5億ドルの助成金も獲得しました。さらにマレーシア・ペナンでも組立・テスト能力の拡張を進めており、グローバルな生産体制を構築しています。
ただし課題も残ります。業界アナリストのジム・マクレガー氏は、パッケージングの成功は実際に顧客との契約を獲得できるかにかかっていると指摘します。潜在顧客がIntelとの提携を公表しない背景には、Intelの量産能力への懸念や、TSMCからのウェーハ配分が減るリスクへの警戒があるとされています。チャンドラセカラン氏は「設備投資の大幅な増加が、顧客獲得の明確なシグナルになる」と述べています。