Sunoの著作権フィルター、簡単に回避可能と判明
アーティストへの被害
業界の対応状況
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AI音楽生成プラットフォームSunoの著作権フィルターが極めて容易に回避できることが、The Vergeの検証で明らかになりました。Sunoは著作権で保護された楽曲の使用を禁止していますが、無料ソフトで楽曲の速度を変更するだけでフィルターを通過でき、BeyoncéやBlack Sabbathなどの有名楽曲に酷似したAI生成カバーが作成可能な状態です。
検証では、Suno Studioに楽曲をアップロードする際、Audacityなどの無料ツールで速度を半分または2倍に変更し、冒頭と末尾にホワイトノイズを追加するだけでフィルターを突破できました。歌詞についても、数単語のスペルをわずかに変えるだけで検知を回避でき、生成された音声は原曲の歌手に酷似したものになります。
特に深刻なのはインディーズアーティストへの影響です。フォークアーティストのMurphy Campbellは、自身の楽曲のAIカバーが無断でSpotifyにアップロードされ、さらにディストリビューターのVydiaから著作権主張を受けるという事態に陥りました。実験音楽家のWilliam BasinskiやKing Gizzard and The Lizard Wizardなども同様の被害を受けています。
Sunoは楽曲のアップロード時にのみスキャンを行い、出力時の著作権チェックは実施していないとみられます。そのため、生成されたカバー楽曲をDistroKidなどの配信サービスを通じてストリーミングプラットフォームに簡単にアップロードでき、本来必要なロイヤリティを支払わずに収益化することが可能です。
SpotifyやDeezer、Qobuzなどのストリーミングサービスは、AI生成楽曲やなりすましへの対策を進めています。しかしSunoのようなプラットフォームが生み出す大量のAI楽曲への対応は技術的に困難であり、Spotify広報も「新技術の登場に合わせて進化を続けている領域」と認めています。Suno側は本件についてコメントを拒否しました。