元駐中国大使バーンズ氏、米中協力と競争の両立を提唱

米中競争の4領域

軍事・技術・貿易・価値観の4分野で競争
関税145%対125%で貿易停止寸前に
中国レアアース生産・加工で優位

技術と気候の接点

AI・量子・バイオが技術競争の中心
中国STEM専攻率36%、米国はわずか5%
気候変動米中協力の鍵に
クリーンエネルギー石炭依存の矛盾

外交の持続性

世界最重要の二国間関係と位置づけ
対話正常化で最悪の事態を防止
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ニコラス・バーンズ元駐中国米大使は、MITエネルギーイニシアティブの講演で、米中関係の現状と今後について語りました。両国は世界最大の経済大国かつ最大の炭素排出国であり、競争と協力の両立が不可欠だと訴えました。

バーンズ氏は米中関係を「競争的・厳しい・敵対的」の3語で要約し、軍事・技術・貿易経済・価値観の4分野で競争が激化していると指摘しました。2025年の関税戦争では米国145%、中国125%の関税が課され、貿易がほぼ停止する危機に直面しました。

エネルギー分野では、中国リチウム電池・太陽光パネル・EVに不可欠なレアアースの生産加工で圧倒的な優位にあります。米国のほかインド・EU・カナダなども関連製品に関税を課しており、バーンズ氏は供給源の多様化を支持する姿勢を示しました。

技術競争においては、AI・量子コンピューティング・バイオテクノロジーが中心になっています。中国の大学1年生のSTEM専攻率は36%で、米国の5%を大きく上回ります。バーンズ氏は中国の教育重視と技術適応力の高さを評価し、技術開発だけでなく政策との統合が競争力の鍵だと述べました。

一方で気候変動は米中協力の有望な領域とされます。中国クリーンエネルギー技術で先行しつつも石炭使用を続けるという矛盾を抱えています。バーンズ氏は、破壊的な衝突を避けながら競争を管理するために対話と関与の正常化が急務であると強調しました。