Google、ボスニア・ヘルツェゴビナ全土を360度公開

Googleインフラ画像

ストリートビュー提供開始

3万km超を走破し全土を撮影
主要都市や幹線道路を網羅
PCやスマホで手軽に仮想旅行

歴史遺産をバーチャル体験

首都サラエボの歴史地区
モスタルのスタリ・モスト(古橋)
複数のUNESCO世界遺産を収録
東西文化が融合する独特の景観
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Googleは2025年11月4日、地図サービス「Googleマップ」のストリートビュー機能を、ボスニア・ヘルツェゴビナで提供開始したと発表しました。ストリートビューカーが国内の主要都市や幹線道路など総距離3万キロメートル以上を走行して撮影したパノラマ画像により、ユーザーはPCやスマートフォンから同国の豊かな自然や歴史的街並みを仮想的に探索できます。

バルカン半島に位置し、東西の文化が交差する同国のデジタルアーカイブ化は、ビジネスパーソンにとって大きな意味を持ちます。現地のインフラや都市の雰囲気を渡航前に把握できるため、海外進出や市場調査の精度を高める貴重な情報源となるでしょう。地理的な制約を超えて、現地のリアルな情報を手軽に入手できる時代が到来したのです。

サービスの目玉の一つが、首都サラエボの探索です。オーストリア・ハンガリー帝国時代の壮麗な建築である市庁舎や、オスマン帝国時代からの歴史を持つ旧市街「バシチャルシヤ」など、歴史の重層性を体感できます。第一次世界大戦の引き金となった事件の現場、ラテン橋も鮮明に確認でき、歴史的文脈の理解を深めます。

ボスニア・ヘルツェゴビナが誇る複数のUNESCO世界遺産も、今や指先一つで訪問可能です。特に有名なのが、モスタルにある「スタリ・モスト(古橋)」。ネレトヴァ川に架かる優美なアーチ橋は、紛争からの復興の象徴です。このほか、ヴィシェグラードの「メフメド・パシャ・ソコロヴィッチ橋」など、歴史的価値の高い建造物を詳細に観察できます。

撮影範囲は首都圏に留まりません。第2の都市バニャ・ルカの「カステル要塞」や、風光明媚なトレビニェの丘に建つ修道院など、地方都市の魅力にも触れることができます。今回のサービス拡大は、観光や教育分野での活用はもちろん、グローバルなビジネス展開を目指す企業にとって、新たな情報収集のツールとなることは間違いありません。