Vercel、AIが障害原因を自動分析・報告
AIによるインシデント対応
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Vercelは2025年10月31日、AIがアプリケーションの障害を自動で検知・分析する新機能「Vercel Agent Investigations」をパブリックベータ版として公開しました。この機能はインシデント発生時に根本原因を特定し、具体的な修正計画を提案することで、開発チームの対応時間を大幅に短縮し、生産性向上を支援することを目的としています。
現代のWeb開発では、インシデント対応に多くの時間が費やされ、エンジニアの負担増大や開発速度の低下が課題となっています。膨大なログやメトリクスからの手動調査は困難を極め、誤検知によるアラート疲れも生産性を阻害する一因でした。このような背景から、対応プロセスの自動化が求められていました。
新機能は、Vercelプラットフォーム全体を監視し、関数の実行時間やエラー率などの異常を自動で検知します。検知後、Vercel Agentが即座に調査を開始。ビルド時のコード変更から実行時のトラフィックパターンまで、幅広いデータを活用してサードパーティーツールなしで根本原因を特定します。
Vercel Agentは、まるで経験豊富なシニアエンジニアのように多角的な分析を行います。複数のメトリクスの相関関係、過去のインシデント履歴、デプロイ直前のコード変更、外部サービスとの依存関係などを総合的に評価し、人間では時間のかかる分析をわずか数秒で完了させます。
分析後は、問題の根本原因を簡潔にまとめたサマリーが生成されます。さらに、ユーザーへの影響度を評価し、具体的な修正アクションを提案します。これにより、開発者は推測に頼ることなく、迅速かつ的確にインシデントを解決し、サービスのダウンタイムを最小限に抑えることが可能になります。
本機能は、Vercelの「Observability Plus」プラン契約チームが利用可能です。VercelダッシュボードのAgentタブから設定でき、エラーアラート発生時に自動で調査を実行します。新規ユーザーは、コードレビュー機能などにも利用できる100ドル分の無料クレジットを活用して試すことができます。