AI健康管理アプリBevel、15億円の資金調達
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AIヘルスケアの新興企業Bevelが10月30日、シリーズAラウンドで1000万ドル(約15億円)の資金調達を完了したと発表しました。このラウンドは著名VCのGeneral Catalystが主導。Bevelは、利用者が持つウェアラブル端末のデータをAIで統合・分析し、睡眠・運動・栄養に関するパーソナライズされた洞察を提供。断片的な健康情報を一つに繋ぎ、予防医療を民主化することを目指します。
Bevelの最大の特徴は、ソフトウェア中心のアプローチです。多くの競合が専用の指輪やバンドといった高価なハードウェアを必要とするのに対し、同社はApple Watchなど既存のデバイスと連携。これにより、ユーザーは追加のデバイス購入なしで、月額6ドルまたは年額50ドルという手頃な価格でサービスを利用できます。この手軽さが幅広い層に受け入れられています。
その成長は目覚ましく、過去1年でユーザー数は8倍以上に増加し、日間アクティブユーザー(DAU)は10万人を突破しました。特に注目すべきは、90日後の継続率が80%を超えるというエンゲージメントの高さです。平均的なユーザーは1日に8回もアプリを起動しており、フィットネスアプリ市場では異例の数値を記録しています。
このサービスの原点は、共同創業者自身の原体験にあります。CEOのグレイ・グエン氏は、自身の慢性的な腰痛の原因が、医療機関やウェアラブル端末の断片的なデータだけでは分からなかった経験から着想を得ました。睡眠、運動、食事のデータを自ら統合・分析することで根本原因を突き止めたことから、同様の課題を解決するサービスの開発に至りました。
今回調達した資金は、チームの拡充とサービス連携の強化に充てられる計画です。投資を主導したGeneral Catalystは「Bevelがユーザーの日常生活の一部になっている」と、その高いエンゲージメントを評価。同社は今後もハードウェア事業には参入せず、ソフトウェアの力で個人の健康管理を革新していく方針です。